カミングアウト・キャンペーン その1「告白」
今回は”告白”について。
俺はこの半年間、自称「カミングアウト・キャンペーン」をやってきた。
内容はいたってシンプル。
自分の仲の良い友達や大切な人に、自分が同性愛者であると打ち明けること。
(俺は「ゲイ」という響きが好きではないので、あえて「同性愛者」と言わせてもらう。)
おそらくカミングアウトは、性的少数派の人にとって大きなテーマなんだと思う。
自分にとってもすごく大きな出来事だった。
自分を変えるために、そして今の日本を少しでも変えるために、行動を起こした。
その出来事を何回かに分けてつづっていきたいと思う。
俺は今まで、みんなと同じように勉強をし、部活をし、中学高校大学と卒業して、大企業に就職した。ごく普通の人間。特段ネタになるような人生ではない。
でもそこに、一つだけひっかかるものがあった。
俺は、同性が好きである、ということ。
みんなとは違う、たった一つの個性。
俺は基本的に楽天家だから悩むことはそんなにないけど、これに関してはたくさん悩んだ。誰にも相談できないから、ネットの記事から情報収集し、ブログを読んで励まされた。
友達にはとても言えなかった。嫌われるのが怖かった。どうしていいかわからず、最近まで悶々とした日々を過ごしていた。
でも、そんな日々に終わりを告げる出来事があった。
今までにないくらい好きな人ができた。
会社の同僚。いつも一緒に遊んだり、飲みに行ったりした。みんなにもあると思う、あの、運命の人に会った時のビビっとした衝撃。
まさにそれ。
そんな時、頭によぎったのは、どっかで聞いた有名な言葉。
やらないで後悔するより、やって後悔するほうがいい
去年のイブの日に、ワインのアルコールの力も借りて思い切って告白した。
彼は全てを受け入れてくれた。理解し、納得してくれた。
でも、結果は”No”。彼は完全に”ノンケ”だった。
だけど、彼に気持ちを打ち明けられただけで、心は途端に軽くなった。
恋人にはなれなくても、大切な親友でいてくれればそれで良い。そう自分に言い聞かせた。
告白した時の彼の印象的な言葉。
同性が好きでもいいじゃん。だって、お前はお前なんだから。そんなことで嫌いになんてなるわけないよ。
良い奴だな、本当に。ずっと親友でいような。
今回はここまで。
もし気に入っていただけたら↓↓
俺は周りとは違うかも?
そう思ったのは、中学生のとき。
「好きな女の子のタイプは?」
この質問。多くの人にとってはごく普通の質問。みんな、髪の長い子、目が大きい子、年上とか年下とか、いろんな答えがあった。
でも、俺は何か違和感を感じた。
「好きな『男の子』じゃダメなのかな?」
って。
でもこれって、多分、気の迷い。
俺はこれからきっと、女の子を好きになるときが来るんだ。大丈夫、きっとその時がくる。
そう思った。
そんなとき、彼女ができた。
告白は向こうから。自分のことを好きになってくれて、素直に嬉しかった。それから、何回かデートした。
確かに、一緒にいると楽しい。話も尽きない。すごく充実してる。
でも、何かが違う。
手をつなぐのはすごく抵抗があったし、キスもセックスもしたくなかった。
なぜ?
連日悩んだ。思春期のカップルらしくない。自分は何かがおかしい。
結局、そんなことが察されたのか、別れてしまった。
一方で、
同級生の「男の子」には違う感情があった。
周りのみんなが好きな子に対して抱く、あの感情。
その子のことがすごく好きだった。格好良くて、頭が良くて、すごく輝いてた。あの子と付き合えたら・・・
でも、そんなことを打ち明けられるわけもなかった。
保健の教科書には、
「思春期になると、『異性』のことを意識し始めるようになります」
って書かれてた。
誰もがスルーしてきた記述だけど、俺にとっては残酷な記述だった。
教科書は絶対正しい。正しいことしか書いてない。俺が間違ってる。
じゃあ、どうする?
こうして俺は思った。
「嘘をついて生きていこう」
って。
女の子が好きだ、っていう嘘を。